2016年度 こども 夢・創造プロジェクト 評価の総括
平成28年(2016)年7月~平成29年(2017)年1月
こども 夢・創造プロジェクト実行委員会
神戸学院大学人文学部人文学科 教授 今西幸蔵
〔PDF版資料〕 |
評価の方法(2種類の調査の実施)
生きる力調査
参加者(児童・生徒)対象に「生きる力」に関わる能力(学力)向上の量的調査を行う。この「生きる力」の能力指標には、OECDや経産省による社会人基礎力等の新しい学力観の視点も入れる。
アンケート調査
保護者・参加者(児童・生徒)対象に、満足度や変容の認知について、アンケート形式の調査紙調査により、質的・量的評価を行う。
経済産業省が求める社会で必要とされる能力
社会人基礎力とは・・・職場や地域で活躍(仕事を)する上で必要な力
評価の観点(1)生きる力調査の能力指標
能力指標の策定にあたっては、国立青少年教育振興機構の研究をもとに、社会人基礎力等の考え方を付与し、28項目を選択、確定した。
心理的社会的な能力
- 心理的エネルギー(4項目) 例)自分から進んで何でもやる など
- 社会的スキル(6項目) 例)誰とでも仲良くできる など
- 判断力(4項目) 例)人の話をきちんと聞くことが出きる など
徳育的能力
- 自己規制(2項目) 例)わがままを言わない、身の回りの片づけや掃除ができる など
- 情緒(6項目) 例)決まりやルールを守ることができる、周りの人と協力できる など
身体的能力
- 日常的行動力(2項目) 例)作業に集中してうまくできる など
- 身体的耐性、社会への適応(4項目) 例)道具を上手に使える など
評価の観点(2)アンケート調査の項目
保護者対象(12項目)
- 変容の認知
- 個性や創造性
- 社会性
- 自主性、自信、意欲など
参加者対象(9項目)
- 参加についての満足度
- 自分自身の生活や意識の変容
- 自分らしさ、長所、自分で何かをつくりだす力など
「生きる力」の向上に関わる量的評価(350名が回答)
評価指標 | 事前調査(ポイント) | 事後調査(ポイント) | 変容度 | 有意差 |
---|---|---|---|---|
「生きる力」全体に関わる能力 | 134.9 | 138.7 | 3.8ポイント向上 | 有 |
心理的社会的な能力 | 67.0 | 69.1 | 2.1ポイント向上 | 有 |
徳育的能力 | 39.3 | 40.2 | 0.9ポイント向上 | 有 |
身体的能力 | 28.5 | 29.4 | 0.9ポイント向上 | 有 |
「アンケート調査」による量的・質的評価
保護者対象(299サンプル)
- こどもの変容を認知した。(自信・集中力)
- 職業意識が形成された。(進路を考える)
- キャリア開発、スキルの向上、社会性の育成につながった。
- 科学への興味や関心が高まった。
参加者対象(336サンプル)
- 全体では「芸術・芸能」への関心が高かった。
- 具体的な職業と自分とが結びついた。
- プロとの出会いに感動した。
事業の総括的評価
こども 夢・創造プロジェクトに参加された保護者・参加者の評価
期待された能力
- 「生きる力」や「社会人基礎力」に関わる学力は確実に獲得されていることが実証された。
- キャリアに対する理解を深める機会となっている。
保護者
- 事業への参加によって多くのこどもが変容したと思われる。
- 社会性が身につくようになった。
参加者
- 本格的なプロとの出会いにより、自分に自信が生まれ、将来の職業への展望が開かれるようになった。
- チームワークと呼ばれるような仲間づくり意識が育成されるようになった。
- 自分の変容の自覚については、半分の人が十分ではなかった。